離婚について調べていく過程で、初めて知ることとなった婚姻費用の存在。
あくまでも、婚姻関係を維持することが前提となる費用とされてるようだけど、
実際には、離婚するまでの別居間中にお互いの生活レベルに経済的格差が生まれないように、収入の多い方が少ない方に生活費を渡す義務がある、と考えられている模様。
そんな簡単でもなさそう。
婚姻費用を夫が拒否したらどうすればいい?支払わないことってあるの?
Contents
夫が婚姻費用の支払いを拒むことはできるの?
夫婦には同居の義務があり、お互いの生活を支え合う義務がある。
なので、離婚したいと家をでていった妻の生活費を払うのは納得できない、と思う夫も少なくないのでは、と思います。
逆の立場になってみれば、わかる気もします。
婚姻関係にある以上は、たとえ別居していようが、夫が妻に婚姻費用(生活費)を払う義務がある。
夫が婚姻費用を支払いしなくていいパターンは、妻のほうが夫より収入が多い場合(この場合は逆に妻側が夫に婚姻費用を支払う義務が生じる)、
あるいは夫が無職の場合。
そうでなければ、夫にローンがあろうが、妻の実家がお金持ちであろうが、夫は婚姻費用を拒むことはできないとされています。
婚姻費用はいつまで支払うもの?
婚姻費用は、婚姻関係を結んだ時からその義務が発生していて、婚姻関係が解消されるまで続きます。
ただし、同居解消が数年(※)続くことで、婚姻関係が維持できていないと認められれば、夫側から離婚申し立てをすることも可能。
逆に、夫側に不貞行為があり有責とされる場合は、離婚請求が認められず何十年と別居状態で婚姻費用を支払い続けることになるケースもあるのだそう。
この場合は同情の余地なし、ですけどね。
※婚姻関係の破綻が認められる年数に一定の目安はなく、状況次第で3~7年ほどと言われています。
婚姻費用の請求ってどうやるの?テンプレートと郵送方法の注意点
通常は別居の前に夫婦で話し合って婚姻費用の決定と書類作成を行いますが、別居後に婚姻費用を請求するには、「婚姻費用請求書」を送る必要があります。
何をどうやって書けばいいのか、婚姻費用請求書のテンプレートがありましたのでご紹介しますね。
婚姻費用請求書
前略 私とあなたは婚姻関係にありますが、平成〇年〇月〇日から別居を開始し、
私があなたとの間の子〇〇も養育しています。あなたは、私に対して婚姻費用を支払う義務があり、
その金額は月額〇〇円が相当です。
そこで、私はあなたに対し、本書をもって婚姻費用の支払いをご請求します。
今月から毎月末日限り、下記口座に金〇〇円を振り込み送金する方法にて、お支払い下さい。
記
○○銀行○○支店
普通 ○○○○○○
口座名義人 ○○○○○○
万一今月末を経過してもご入金を確認できない場合,家庭裁判所において、
婚姻費用分担調停を申し立てますので、お含みおき下さい。
草々
引用元:弁護士費用保険の教科書
私の場合は子供はいないので、1行目の部分は「私とあなたは婚姻関係にありますが、平成〇年〇月〇日から(別居理由)により別居を開始しました。」で結んで良さそう。
※不安な点があれば弁護士に相談しましょう。
注意しないといけないのが以下の2点。
- 婚姻費用の請求金額を記載すること
- 内容証明郵便を利用すること
婚姻費用の金額については、算定表で目安がわかるものの、
現実的な金額が出せるように、夫婦の収入と支出、家計簿などのデータは証拠として集めておいたほうが良さそうです。

また、婚姻費用は請求した時から発生するので、内容証明郵便で送ることで、調停となった際に証拠にすることができます。
逆に、婚姻費用は過去に遡っての請求ができないので、即行動が大事!
夫が婚姻費用を支払わない場合はどうするの?
そうはいっても、実際には夫が婚姻費用を支払ってくれない、という相談は沢山見受けられます。
婚姻費用分担請求に応じてもらえない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てることができますが、それでも、なかなか支払いをしてもらえないってこと、割とあるようなんですよね。
(そんなこともできない夫だから、別居するのだけど…)
調停で決まった婚姻費用を支払いしてくれない場合の対処法として、一例を挙げてみると…
婚姻費用の申し立てをし調停で取り決めましたが、待てど入金確認ができません。
このまま婚姻費用の支払いが行われなかった場合は次の調停でもその件についての話し合いになるのでしょうか?
参考元:弁護士ドットコム
この場合の弁護士の答えは、
婚姻費用の調停が成立したのに履行されない場合は、最終的には強制執行を検討する、というもの。
婚姻費用は法的な義務なので、調停・審判となった場合に夫が話し合いに応じなければ、夫の主張抜きで裁判官が判断を下すことができるし、法的な強制執行力も持ちます。
更に夫が支払いに応じなければ、訴訟、ひいては給与などの財産差し押さえ請求を行うことも可能。
まともに生活している夫なら、婚姻費用から逃れることはできない。
実際には面倒な訴訟を起こすより、1秒でも早く離婚して養育費を請求したほうがマシ、と事を起こさない妻もいるかもしれない。
私も正直めんどくさい。
それに、夫に婚姻費用を請求することに全くの抵抗がないわけじゃない。
婚姻費用の請求に罪悪感をもたないこと!
実は、離婚前の別居というのを全然考えていなくて、きっぱり離婚して家を出るものだと思っていたから、婚姻費用に頼るつもりがなかった私。
自立できる状態まで同居になるのはしょうがない、と思ってました。
でも次の転勤について行ったら、またそこで貯金を切り崩すことになりかねない。
それなら、単身赴任という形で別居すればいいのでは?
そしたら、婚姻費用として堂々(?)と請求できる。
今まで夫の収入が管理できなかったのは、ちゃんと自分の意見が言えなくて、話し合いをしてこなかったから。
申し訳ないなんて思う必要なんてない。(逆に今まで申し訳なかったと思って欲しい)

夫の出方次第では、当然の権利として婚姻費用を請求する!
(あ、でも万が一私の収入が、夫の収入を超えちゃったらまずいのか…)