結婚10年、子供なし。
子なし夫婦を選んだのは私(妻)です。
子供を作らないことを条件に、夫からの求婚を承諾しました。
産めるのに(実際に産めるかどうかはわからないけれど)子供を産まない選択をすることに、批判的な意見が多いこともわかってます。
批判されたところで気持ちを変えようがないので、言い訳するつもりはないんですが、純粋に子供が好きな方からすれば、「なんで子供が欲しくないんだろう?」と疑問に思う気持ちもわからなくもない。
なので、ブログだから綴る事ができる、私が子供を欲しくない本音や親への言い訳、夫や義両親の理解について書いてみます。
Contents
子供を作らないと決めたのは子供の頃
私が子供を作らない、と心に決めたのは小学生の頃。(多分3~4年生あたり)
子作りが何かも知らないような、というかその前に恋愛とか結婚についてもまだ何の興味も持っていなかった頃なのだから、今考えると呆れるのだけど。
子供時代の性格が災いしたこと
地域住民は皆知り合い、くらいの田舎に私の実家があるんですが、私の父は躾とかに厳しいほうで(厳格というよりは人目を気にして、という感じ)、でも躾をするのは母の役目。
「あんた達が言う事聞かないと、お母さんがお父さんに叱られるの」と母に泣きながら訴えられたこともありました。
それならちゃんとしっかり育てばよかったんですけど、残念ながら私は面倒臭がり屋で流されやすい性格。運動も苦手。人と話すのも苦手。
人目が気になる、親の目が気になる、自分で判断ができない。
怒られるのが怖いから、勉強はするし、規則にも従う。
でも忘れっぽくてドジ。おっちょこちょい。
…どうなるでしょう?
はい、いじめられっ子の完成です。
我慢することしか考えなかった
そうはいっても、スマホとかもまだない当時の田舎の学校のいじめなんて可愛いもので、つままれる、小突かれる、貸したものが返ってこない(貸したというよりは強引に借りられるんだけど)、言いたくない事を言わされる、その程度。
クラス中からいじめられるのではなくて、特定の子から命令されたり、叩かれたりするくらい。
いじめというほどでもないのだけれど、それが楽しかったなんてことはもちろんなくて。
その子の機嫌を損ねないようにビクビク過ごすから、余計に都合よく使われる。
察して声をかけてきた先生もいたけれど、父にバレたら母が叱られるから、「余計なことしないで欲しい」と心の中で願いながら笑って全否定。
この状況をなんとかしよう、ではなく、「我慢すれば明日は来るし」としか思ってなかったんですよね。
ビビリな性格が引き起こした事件
学校でも家でも内心ビクビク過ごしてきた私は、「人に従うべきところ」と「自分の意思で動くところ」の線引きがおかしかったんだと思います。
学校が休みだったとある日、(例の)クラスの子が学校に忘れたプリントを、代わりに取ってくるように言われた私は、雨の中傘を指して学校へ。
プリントを持ってその子の家へ向かう途中、いつの間にか、後ろから知らないおじいさんがついてきて、「バス停まで傘に入れて欲しい」と言われました。
小屋のように屋根も壁もあるバス停まで送ると、「バスがくるまでいてちょうだい」とお願いしてくるおじいさん。
知らないとはいえおじいさんだし、そうでなかったとしても、この時の私の性格では断る勇気がない。
バスがくるまでの間、いくつかの質問に答えているうちに、おじいさんの手が私の胸に。
さすがと驚いて泣いてしまうと、「どうして泣くの?」とおじいさんはその手を引っ込めたのだけど。
ちょうどバスも来て、おじいさんは「ごめんね」と言いながら去っていったのだけど。
それから、何事もなかったかのようにプリントを渡しに行って、家に戻ると。
「雨なのにどうして出かけるの?!」
と母の叱責。
…もちろんなにも言わなかった。
辿り着いた答え
この時点で性格がひねくれてた私は、一生懸命考えたわけです。
「なんでだろう?」と。
どうしたらいいのか、ではなく、なんでだろう、としか考えられなかった私。
死にたいほどつらいわけじゃない。
だけど、なんで自分は生まれてきたんだろう。
でも今の時点で、なんで生まれてきたのかなんて、いくら考えても答えはでない。
起こったことをなかったことにはできない。
生まれてきてからでは全てが遅い。
生まれる前になんとかしないと。
で、この時に決めたこと。
絶対に子供は作らない。
生まれてきてから、そんな思いをしてほしくないから。
なんとかなる?大事に育てればいい?
親の知らないところで子供は傷つくこともあるのに。
大人になってからも子供が欲しいと思えない
中学にあがるといじめっ子とも距離ができて、家を出て高校に入り、社会人になってようやく、
自分らしさを確立したというか、自由になりました。
人目を気にする性格はまだ潜んでいるけれど、それでも普通に遊んだり彼氏ができたり。
それでも「子供が欲しい、子供を産みたい」と思う気持ちが、私には全く湧き起らない。
あの頃の気持ちが、自分への悲壮感に酔ってたのはわかるけど、だからといって気持ちを変えることができない。
子供は可愛いと思う。甥っ子の成長も見ていて楽しい。
だけど自分で、子供が欲しいとはどうしても思えない。
自己暗示みたいなものなのかな…。
親への嘘、夫や義両親の理解
結婚すると親に告げた時、母には子供を作るつもりがないことを打ち明けました。
(じゃないと後々面倒だと思ったから)
でも理由は、「この先環境破壊が進んでいて、子供や孫の代に苦しむことになったら嫌だから」と。
映画の見過ぎ、みたいな言い訳だけど、実際問題ではあるし、少子化対策と環境対策が私の中で共存できない。
未来の子供たちの地球環境を守りたかったら、人は増え過ぎないほうがいいはずなのに。
母はまだなにか言いたそうだったし、納得はしていないようだったけれど、それ以上の追求はしてこなかった。
父はそういった話を直接してこないので、いつまでたっても孫の顔が見られないことをどう思っているかはわからない。
結婚前に卵巣嚢腫で手術しているので、それが原因かと思ってるのかもしれない。
母は私が子供を作らないと決めたことを、父には内緒にしているんだろうと思う。
内面的なコミュニケーションを苦手とする家族なので、孫の催促などされないことは結果助かってるのかも。
夫や義両親の反応
夫に子供がいらないと告げた時は、「いいの?」とは聞かれたものの、前妻との間に子供はいるし、むしろ自分の物欲を我慢できない夫にとってはありがたかったのでは、と思う。
義母はすんなりとは納得できないようだったけれど、私の意思が固い事を悟ったのか、理由を聞いたりそれ以上の説得をしたりはしなかった。(本当にありがたいことだと感謝してます)
義父にどのように伝わったのかはわからないけれど、子供がいないことに義実家で肩身が狭い思いをしたことは一度もないです。
(夫が実家で威圧的というか、絶対的な立場を維持してるから、というのもあります)
理解されるとは思わないので嘘ついてます
私が子供が欲しい気持ちを理解できないように、逆の立場では子供が欲しくない気持ちを理解するのも難しいかと思います。
(子供が欲しいと思える気持ちを、羨ましいと思うことはあります)
こんな本音、とてもじゃないけど実生活で口に出せるものじゃない。
時々遠慮なく、どうして子供を作らないのか聞かれることもありますが、実際には、「(年齢的に)もう遅いから」とか、「引っ越し貧乏なので」とか適当にはぐらかしてます。
精神的に子供ができないなんて、認められないのでしょうから。
私よりも壮絶な子供時代を過ごしている人なんて、世の中には沢山いるでしょう。
だから少しだけ、子供が欲しくない本音を隠している人がいることを知ってもらえたら。
ちなみに母との関係は現在良好です。(本音を話すかどうかは別として)
母もどれだけ大変だったかと思うし、素直な子供に育たなくて申し訳ない気持ちもあります。
これだけだと父も嫌な面しか取り上げてないんですが、ふざけたことが好きな一面もあるし、本人も幼少期は色々大変だったみたいで。(でも二人っきりになるのは無理)
楽しい話じゃなくて申し訳ないんですけど、私の中では他人事のような過去の話。
(そんな子供だったことが恥ずかしいけど)
こんな話を読んで頂いて、本当にありがとうございました。
暗い気分になってたら申し訳ないので、ひとこと。
父のような人とは結婚したくないと思ってたのに、夫が父と似てるとこあってほんと残念!