我が家には1匹の猫がいます。
そして子供はいません。
動物好きは昔からで、でも母が大の動物嫌いだったので、「大人になったら、結婚したら犬を飼いたい」っていう気持ちはずっとありました。
子供を持たないのは自分で選択したことだったので、「子供の代わりにペットを飼う」っていう気持ちは全くなかったのですが、
そんな事情を知らない人の中には、「子供の代わりに猫を可愛がってるのね」と思われる方も稀にいらっしゃるようで。
子なし夫婦がペットを飼うのは「子供の代わり?」「かわいそう?」
Contents
子なし夫婦の私たちが猫を飼う事になったきっかけ
「結婚したら犬を飼ってもいい?」
そんな私の質問に、余裕の表情で「もちろん」と答えた夫。
(注:アナとハンスのようにラブラブなやり取りを想像しないように)
実際には結婚後すぐの引っ越し、異動、そして転勤族。
さらには完全共働きで、とてもじゃないけど犬を飼っていいような環境ではありませんでした。
それなのに、結婚4年目?くらいに引っ越してきたマンションで、ガリガリでぼさぼさの野良猫と出会い、どうしても放っておけなくなりました。
転勤に連れ回すこと、避妊手術をすること、人間の勝手な都合でその猫の運命を変えることに大きなためらいもあったけれど、でも、野良猫を作ったのも、住処を奪っているのもまた人間。
猫にとって何が幸せなのかわからないけれど、でも「今」望んでいることが《雨風がしのげる住処と食べ物》であることはわかる。
だったら、難しいことは考えずにこの猫が「今望むもの」を叶えてあげよう、と。
子なし夫婦、独身がペットを飼うと「かわいそう」?
独身でペットを飼うと終わりだとか、子なし夫婦がペットを飼うとかわいそうとか、気にする人って少なからずいると思います。
でも私はうちの猫の事を子供の代わりだなんて思ってはいないので、「かわいそう」と思われても、それはその人が勝手にそう思ってるだけの話。
お子さんがいてもペットを飼われてるご家庭はあるのに、なぜそこで勝手に線引きしちゃってるの、と思います。
かわいそうだと思われる行動って?
今、私は「人が飼っている生き物」を総称して「ペット」と言ってますが、ペットは家族であって、ペットなんかじゃない、っていう人もいます。
私もうちの猫のことはペットとは言わないし、「飼っている」とも思ってません。
自分にとってペットは家族で、食事は餌じゃなくてご飯で、もちろん子供のように愛しい存在。
でもそう思えない人もいます。(私の母と妹もそう)
同じ価値観を持っていない人に自分の考えを強要するのは、「かわいそう」と思われる行動だと思っています。
犬や猫を飼っている人同士で、「ママさん」「パパさん」と呼び合うのは、価値観の共有が出来ているのが前提で、そのほうが呼びやすいし、親しみを込めているのだし、楽しいからです。
でもみんなが自分の子供のことを話しているのに、自分のペットの話を「うちの子は~」などと話してしまうと、「かわいそう」と思われてしまってもしょうがない気がします。
飼い主さんにとってどんなに子供のような存在だろうと、第三者からみたらペットはペットで子供ではないから。
それを理解できずに、子なし夫婦がペットを飼うとみじめに思われる、っていうのは違うんじゃないかなって思います。
本当のかわいそう、はちゃんとペットを飼えないこと
本当にかわいそうなのは、ペットを飼うという重みを理解せずに、「1人の夜が寂しいから」「子供の代わりになればいい」という自己都合だけで生き物を飼うこと。
- しつけをするのはかわいそうだから、といって甘やかす
- しつけと罰をはき違える
- 人間と同じ食事を与える
- 世話をしない
…等々。(ペットの種類にもよります)
ペットは子供の代わりじゃないけれど、命を預かることに責任と義務も生じます。
今の日本の気候や住宅事情では、庭で飼育することも難しくなってきているし、
フード代やケージなどのグッズにも多少なりのお金がかかるし、病院にかかることになれば治療費もかなり高額になります。
うちは転勤族ですが、ペット可の賃貸物件はまだまだ少なく、家賃も割高。
犬の場合は旅行に連れて行くことも可能だったりしますが、猫は難しいことが多いので、夫婦そろって1泊以上家を空ける事はなくなりました。
子供は成長して大人になって手を離れていきますが、ペットはずっと子供のままでやがて歳をとり、介護が必要になって、看取らなければならない。
そう考えたら決して「子供の代わり」ではなくて、だけど同じ「命」なんです。
それを理解できないなら、飼われるペットが「かわいそう」です。
ペットは子供の代わり、ではないけれど…
子供を望む気持ちがないので、その猫を「子供の代わり」と考えることもなかったのですが(そもそも成猫だったし)、「子はかすがい」という言葉があるように、「ペットはかすがい」になったのは事実です。
夫婦喧嘩が減った
正しくいうと回数が減ったわけではないんだと思うんですが、「にゃあ」と言われれば怒りの感情が吹き飛んでしまうので、喧嘩が長引くことが少なくなりました。(なくなったわけじゃないけど)
離婚を踏みとどまれた
ずっと離婚をためらっていたのは、猫にとっては広い部屋のほうが快適なはずだし、どちらか片方が家にいてくれたほうが安心感もあるだろうという考えもありました。
食べ物の質も落としてほしくはない…ような気もするし。(意外と好き嫌い多いので)
とはいっても現在離活真っ最中なので、説得力ゼロですが、「子供のために離婚しない」っていう気持ちがわかるとまでは言いませんけど、全くわからなくもないというか。
子なし夫婦がペットを飼うということ
ちょっと辛口になりましたし、偉そうなこともいいましたけど、要はペット(命)を預かるのに、子なしも子ありも独身も関係ないってこと。
子供がいないから、時間や金銭面がクリアできる部分があるだけで、「かわいそう」って思われるのは自分の行動次第だし、「かわいそう」って思うのはその人の勝手。
子供のように愛しいけれど、子供じゃないことはわかってます。
不便になることもあるけど、それ以上に幸せを感じることのほうが多いし、離婚を考えてる今でも、夫と結婚してなかったら猫との出会いはなかったのだと、感謝してます。
猫と暮らすようになってから、保護猫や保護犬、色んな情報が気になるようになりました。
もし里親になれる環境にあるのなら、周りの目を気にしてためらうのではなく、その子を幸せにできるかどうかで判断してほしいなって願います。